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私たちが目指す輸送システム

単段式宇宙輸送機(Single Stage to Orbit)とは、燃料や推進剤のみを消費し、エンジンや燃料タンクなどを搭載した機体を切り離さずに衛星軌道に到達できる宇宙機のことを指します。この単段式ロケット開発が当社ビジョン達成に向けて非常に重要になります。

私たちが目指す輸送システム

背景としては、機体部品の再利用からロケット打ち上げコストを抑える効果につなげられるためです。真空を飛ぶための燃料として使われる酸素を積んだタンクは、高額なものではあるものの宇宙空間に辿り着くための機体軽量化手段として、飛行途中で切り離され、そのまま使い捨てになります。

このような事例により、ロケットの打ち上げには高額なコストがかかってしまいますが、宇宙空間に辿り着くために機体の一部を切り外しなどを行わない単段式ロケット開発を達成できれば高額な部品の再開発コスト問題などが解決され、さらなる宇宙事業への投資・これまでの頻度以上のロケット発射実験、ひいては低コストで民間の方が宇宙にいける未来の実現に繋がります。

単段式高頻度往還機の実現は、日本の宇宙産業にとって大きなチャレンジになります。

宇宙産業の未来と私たち
が目指すもの

私たちが考える宇宙産業の未来と目指すものに
ついてより詳しくお話ししています
宇宙産業の今とこれから

宇宙産業の今とこれから

宇宙開発はもはや夢ではなく目標である宇宙利用ビジネスは、世界の中でもIT産業の次に来る成長市場として、注目されています。
宇宙輸送を民間で実現していく

宇宙輸送を民間で実現していく

宇宙産業が日本経済を支える1つの柱になる 20世紀に開発されたロケットは、その時代に可能だった技術を組み合わせ、より多くの人や物を宇宙空間に運べるように革新されてきました。しかし、それらのほとんどは「使い捨て」であり、膨大なコストをかけて、物や人を運ぶというのが当たり前の世界でした。 近年、多くのプレイヤーが宇宙産業に参入し、宇宙上で地球にデータを送る人工衛星や、無重力空間でしか実験・製造することができないような製品を作れる大きなモジュールでビジネスが活発かするにつれ、より高頻度・低コストに、多くの人や大きな貨物の輸送需要が発生してくると予想しています。 では、より低コストで大量のものや人を運ぶにはどうすれば良いでしょうか? そのキーワードがロケットの「再利用」です。通常ロケットは、宇宙に運ぶものを先端に搭載し、複数段のロケットで宇宙空間に運びます。このロケット自体が破壊されず、所定の場所に着陸させ、次の飛行に利用できるようになりました。これらの取り組みは、ロケットを開発する航空宇宙開発を経験した人材だけでなく、近年、急激に発展してきたコンピュータパワーを組み合わせ、さらに、様々なバックグラウンドをもった人材と共に、実現されています。 しかしながら、本当に宇宙ビジネスや生活が身近になる世界を実現するには、さらなる技術革新だと私たちは考えています。 高効率・高性能な推進系の革新、小型化・軽量化による低コスト化、それを安全に再使用、長寿命化できる運用の仕組みなどを総合的に検討し、作り上げなければなりません。これらは、決してロケット屋だけで完成させることができるものではなく、様々な分野の人材が集まり、知識を共有しながら構築していくものだと確信しています。 私たちが今、直近5年で取り組もうとしている事業の核は、単段式宇宙往還 (Single Stage To Orbit)という考え方にあります。 発射から宇宙空間に到着するまで、ロケットを切り離さず到着し、荷物や人を分離、そのままの状態で地上に戻ってくることを実現します。 これにより、ロケット発射1回あたりのコストを極限まで減らし、二点間高速輸送や宇宙旅行、低軌道衛星の打ち上げミッション等に対応できるビジネスを作り上げていくことを計画していきます。直近5年はこの方式によるロケットの開発を実現するために経営資源を集中しながら、このロケットをベースにして企業や個人が宇宙でビジネスができる様になる基盤を構築していきます。
宇宙輸送プラットフォームを作るのは総合格闘技

宇宙輸送プラットフォームを作るのは総合格闘技

人や物を高頻度に輸送するシステムは、高頻度単段式輸送機だけを開発しても実現できません。発射・着陸を安全に行う射場自体や、それを管理・管制するための地上プラットフォームにより、スムーズに、輸送機の点検・整備を行い再発射を行う必要があります。 新しいコンセプトの輸送機に関する研究開発において、打ち上げ実験を繰り返すのは、莫大なコストと時間がかかります。コンピューティングパワーを使ったシミュレーションと実験から取得できるデータを組み合わせて、ITシステムの構築におけるアジャイル開発のような効率的な研究開発体制を目指しています。 また、輸送機の製造段階においても、より効率的なサプライチェーンの構築やコンポーネントから取得できるデータによる改善フィードバックなど、研究開発チームと製造チームやサプライヤーが常に情報を共有し、効率的に高速な製造ができるような体制を検討しています。 これらを実現していくには、今まで航空宇宙業界でキャリアを積んできたエンジニアのみならず、様々な製造産業もしくはIT産業での知恵や経験を結集し、今までの常識にとらわれない企業文化を育んでいく必要があると考えています。